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「舟を編む」「小説のように」

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先月下旬に数か月前に予約をしていた本が2冊一度に回ってきた。
三浦しをんの「舟を編む」とアリス・マンローの「小説のように」である。借りられる期間は2週間。両方ともページ数が多いので、期間内に読み終わるのは難しいと思った。2冊同時進行で読み始めたけれど、両方とも半分もいかないうちに図書館から返却の督促メールが送られてきた。2冊ともまだ大勢の人が待っている。けれど3日ほど延期して、「舟を編む」は読み終えた。「小説のように」の方は、婆さんには読みにくい文章で、まだ半分もよみおわらないのに、返すことになった。また予約を入れて読み直そうかと思う。

「舟を編む」三浦しをん
編集長の言葉に「辞書は言葉の海を渡る舟だ」というのがある。
海を渡るにふさわしい舟を編む、という思いを込めて、名づけられた「大渡海」という辞書が世にでるまでのおはなしである。
登場人物が皆独特で、変わっている。人情味があるのに表に出さない。辞書の編纂に携わる人々の関わりや性格を描きながら、言葉の重要さもしっかり述べている。面白いなあと思いながら読み進むうちに、いつの間にか主人公"まじめ"さんの影響を受けているのに気が付いた。
言葉は慎重に使わなければいけない。間違ってつかわないように辞書をひこうと思い立った。ところがその辞書が私の部屋から消えていた。昔(かれこれ20年前)、家人に付き合って、パチンコをしたことがあった。ある時、真ん中のチューリップが開きっぱなしになって、玉入れがたちまちいっぱいになった。隣は玉を追加しても空っぽだった。投入資金は1千円だったか。得たお金は2万円!!。その収益で私は「広辞苑」を買ったのである。だからこれはまぎれもなく私の所有物なのである。どこに消えたか、ピンときたので、犯人のいないときに取り返してきた。
早速、舟と船の違いを調べた。一緒の項にあって、違いはかかれていない。なぜ舟なのだろう?
"編む"は、言葉を紡いで書物を作る、編集するとある。

「あまりに幸せ」アリス・マンロー「小説のように」から
ロシアの数学者ソフィア・コワレフスカヤの伝記にもとづく話。婆さんが若かった頃、別の本で読んだ記憶がある。あらましはほとんど忘れてしまったけれど、数学を学びたいために、契約結婚をしてロシアから出た、ということを覚えていた。十九世紀半ばのロシアで女性は高等教育を受けられなかった。又、親や家族(配偶者)の許諾なしに国外に出ることもできなかった。契約結婚は進歩的な女性の間で流行っていたという。

四十一歳でなくなる前の三年間のソーニャの話。父や姉のこと、旅の途中で出会った人々のこと、姉の革命家の夫と息子のこと、契約結婚したそーにゃの夫との関わりや、彼との間にできた娘のこと、など、話が前後しながら語られる。苦難の多い人生であったが、学問に対する情熱は消えることがなかった。夫は亡くなり(自殺?)、新しい恋人と結婚するためにためにパリを出る、ところで終わる。

*ソフィア・コワレフスカヤの十七年後にマリー・スクロドフスカがポーランドに生まれる。

by babamama_123 | 2014-06-05 23:41 | 読む | Comments(0)