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1月~2月の本


「オリーブキタリッジの生活」 エリザベス ストラウト
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アメリカ北東部の小さな漁港の街に住む普通の人々の生活が書かれている連作短編集。
主人公はオリーヴキタリッジ、元中学校数学教師、夫のヘンリーキタリッジはその海辺の街で薬局を経営している。一人息子がいて、足の医者をしている。
オリーヴが主人公なのはおわりのほうの一篇で、あとは、街の人々のありふれた日常生活がオリーヴの影や噂などを織り込んで語られている。オリーヴは象のように大柄な女性で、気性もかわっている。近所の人々、元教え子の会話から彼女の人柄がうかびあがっていくしくみになっていて、俗っぽい話なのに、通俗小説にならないところが素晴らしいと思った。オリーヴの30代後半から70代にわたってかかれているけれど、オリーヴの老いにわが身が重なって、同感することがたくさんあった。
京都奇談 森鴎外、芥川龍之介、水上勉他
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京都にまつわる奇談短編集。図書館の返却本の中にあったのを借りてきた。
名作、「藪の中」、「高瀬川」、「西陣の蝶」がおさめられている。
奇談なので覚悟してはいたけれど、「決して忘れられない夜」 岸田るり子 を読んだときは、私も忘れられない話となった。あまりのえぐさに、その夜の食事がすんなり喉を通らず、味もわからなかった。
世の中の男性諸君、決して女性をその場しのぎに、もてあそんではいけません。

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by babamama_123 | 2016-02-18 15:38 | 読む | Comments(0)

申年なので


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昨年の暮から読んだ本は、
”ネアンデルタールと現代人”、”聖書伝説物語”、”かたづの”、他数冊。最後まで通読したのは、”ネアンデルタール人・・”と”かたづの”の二冊。初めの2冊は図書館で目に入ったので借りたけれど、申年にちなんだつもりではない。けれど、お猿さんのチンパンジーと我々現代人の遺伝子が90パーセント同じということを知って、申年は我々の干支でもあると気が付いた。
遺伝子が90数パーセント同じでも、チンパンジーと現代人の脳の容量は大きく異なる。前者300~500ccであるのに対し後者は12000~1600ccである。(現代人の脳の容積は何でこんなに幅があるのか。自分は下限に近いのかもとぎょっとする)
”ネアンデルタール・・”
はじめ類人袁は樹上生活をしていたのだそうな。それが環境の変化かなにかで、森を追われ、食を探すために腕が短くなり、二足歩行となった。森から追われて食を探すうちに、草原で肉食獣の食べ残しにありつき、肉食を覚える。肉食は腹持ちがよいので、始終食べている必要がなくなり、暇できた。肉食が脳を発達させた、と書かれている。サルから人への進化要因の一つであるらしい。一〇数年前、ネアンデルタール人が生まれ、あるとき急にいなくなり、ホモサピエンスが登場する。といっても一万年間は共存していて、混血もあったらしい。ネアンデルタール人が進化してホモサピエンスになったのではないらしい。
人類学ってとても面白い。ホモサピエンスの誕生から十数万年、そろそろ新しい人の種がでてこないのかな、などと想像して楽しかった。もしわれわれより進化しているとしたどんな人なのだろうか。w他紙は妖精みたいなものじゃないかと勝手におもっている。
”聖書伝説物語”
聖書伝説物語は、挿絵がよかったので借りた。それこそ数十年前、中学生だったころ、週に一時間聖書の時間があって、中学性は旧約聖書、高校生は新約聖書を読んだ。聖書伝説とは旧約聖書の物語である。昔旧約聖書は口語役ではなくそのうえ分厚くて重たかった。だから学校におきっぱなしで通読したことはない。
着物姿の院長先生が講義をされていた。人類初の殺人事件のお話しなどまことに人間臭い話がもりだくさんでおもしろい。中東の歴史書にもなるのではないか。
”かたづの”
時代は1600年、徳川時代にかかろうとするとき。舞台は東北八戸。
南部藩に実在した女藩主の民話的物語。
40数年前、八戸より少し南の三沢に3年近くすんでいたので、出てくる地名や方言がなつかしかった。
八戸南部氏20代当主直政の妻祢祢(ねね)は10台の初め(婿をもらったのはねね9歳、直政8歳)一本の角を持ったカモシカにであう。カモシカはやがてねねとしたしくなり、死んだあとはその角がねねのおまもりとなり、南部の秘宝となる。物語は一本角(片角)の語りで進む。
ねねの母は美人であったが、ねねは美貌はともかく歴史に詳しく頭脳明晰であった。夫直政とは仲睦まじく、1男2女をもうける。が、叔父の謀略により、直政も息子も亡き者とされ、20代で南部氏の21台当主となる。叔父の謀略はやまず、やがて代々住み慣れた八戸を明け渡し、遠野へ移住することになる。
東北の四季の移り変わりや、かっぱの民話などがもりこまれ、とてもおもしろかった。
様々な危機を戦ではなく負けであっても人命を優先に乗り越えていく。

”かたづの”

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by babamama_123 | 2016-01-12 16:48 | 読む | Comments(0)

今月の本から

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もし余命ひと月足らずと宣告されたなら、私はどうするだろう。
まだ若い主人公はある日突然難病にかかり、余命ひと月たらず、悪くすれば明日にも死ぬかもしれないと医者に告げられる。呆然として眠れない夜を迎えた主人公の前に悪魔が現れ、悪魔の言うものを世界からすべて無くすことに同意すれば、一日延命してあげようと、言われる。そして、まず携帯電話が消え、主人公は一日生き延びる。・・・・・
なかなか考えさせられる物語でした。
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夏の終わりころ、友人に勧められて、読んでみようとおもったのだったが、図書館にリクエストすれば一年待ちになるだろし、どうしようかと思っていたら、絵画教室のNさんが貸してくださった。
浅田次郎の本は、ずいぶん昔、”ぽっぽや”というのを読んだきりだった。なかなか感動的で、胸にしみるけれど、浪花節調はあまりすきではないので、私にはそれが過剰に思えて、以来読んでいなかった。
一路は幕末の参勤交代の行列を采配する、若きリーダーの物語。
陰謀あり、人情話あり、お笑いあり・・・、息つく暇もないけれど、ちょっとやりすぎじゃないかと思える。けれど、とっても面白く、読みだしたら止まらない。上下をほぼ二日で読み終えた。本を読む時間は夜明け前からの2,3時間なので、このところ寝不足で、ぼーっとしている。後遺症として侍言葉が移ってしまった。
大儀であった。
よきにはからえ・・・

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by babamama_123 | 2015-10-13 13:02 | 読む | Comments(0)

再々・・・読日本国憲法

十数年ぶりに日本国憲法をよんだ。高校、大学と必要に駆られて読んだけれど、頭に入っているのはごく一部。先日図書館で、"こどもにつたえる日本国憲法"が書棚に見えたので手にとり借りてきた。解説文は井上ひさしで、挿絵は、いわさきちひろである。かわいい子供の絵に、わかりやすい文章で解説してあって、固くなった婆さんの私にもよく理解できた。
解説の終わりに日本国憲法全文と前文が記載されている。改めて、前文から丁寧に読んだ。格調高い文章である。この憲法に関して、昨今色々いわれているけれど、私はやはり守るべきものだと考える。
敗戦によって降ってきたような平和を、維持し続けるのは、今が正念場だと、思う。
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by babamama_123 | 2015-09-09 15:48 | 読む | Comments(0)

7月末の本

f0095745_14610100.jpg図書館に予約した本が、次々と回ってくる。返却日まで余裕があるけれど、大急ぎで読んだ。「その女アレックス」、と「サーカスの夜に」。いずれも半年近く前に予約した。アレックスは新聞の広告で絶賛されたいたサスペンス、サーカスは、作者が好きなので借りた。
サスペンスは、非常にえぐい描写が続いて読めないな、と思いながら、何故そこまで、と引きづられて最後まで読み通した。最後にやっと自分の疑問が解けたものの、あまりにも悲惨な話で女性読者にはつらかった。続けて「サーカスの夜に」を読んでいくぶんきもちが癒された。
まったく偶然なことに、この二冊の主人公は、12,3歳の少年の身長しかないのである。アレックスに登場する刑事は50代?だったか、母親の喫煙嗜好で小さく生まれた。サーカスの夜にの少年も病気で12歳で体の成長はとまってしまった。とはいえ、小さいということが、物語に大きな影響はおよぼしてはいない。

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by babamama_123 | 2015-08-01 13:42 | 読む | Comments(0)

鹿の王


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3週間前、図書館に予約した、"鹿の王"上下が一緒に届いた。ほぼ1年待って、やっと順番が回ってきたのだ。早速借り手きたものの、2週間で読み切れるかとても心配だった。孫達もいるし、そうじゃなくても、なにかと忙しい婆さんである。寝起きの1時間弱、待ち時間に数ページ、そして旅行先の寄ると朝、とひたすら読んだ。少しえんちょうしようかとおもっていたら、つぎの予約2冊が3日前届いたとの知らせ。延長すると取り置き時間がきれてしまうので、もう必死で読んだ。
年寄には膨大な量なので、下巻に進むと、上巻とのつながりがわからなくなってしまう。行きつ戻りつ結構時間がかかった。さらに、固有名詞がなじみのない言葉で、上二文字が同じで下が違う名前だとこんがらかってしまう。人間関係がなかなかつかめない。それを除けば、とても感銘深い本だった。ひさしぶりにわくわく、どきどき、きゅん、としながら読んだ。再読したい本である。
感銘を受けたところ

なぜ人は病むか、ということについての主人公の医者の言葉(略)

・・・ 生きることだけでなく、死ぬこともまた、生き物の体には、その生のはじめから仕組まれているんだ・・・

子のいない女性が、子を産み、命を伝えていくことが、私たちを不死にしている?、に対して
この世に生きている人々の数は膨大だから、祖先から伝わってきたなにかがあるとしても、一人一人が次の世代を産めたか、産むことができなかったかということで、その命の連鎖の糸が消えるようなものじゃないんです・・

祖先から綿々とつたわってきたものはある。でもね、ひとりひとり全く違うの。どの命も、これまでこのよに生まれたことのない、ただ一つの、一回きりの個性をもった命なのよ・・・

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by babamama_123 | 2015-07-21 16:03 | 読む | Comments(0)

気になる夏の夜空

最近、面白いサスペンスドラマが少なくなったように思える。科学捜査官や、科捜研の女も、おなじものを何度も見ると、いくら好きでもさすがに飽きてきた。
図書館に予約した本はなかなか回ってこない。今野敏の隠蔽捜査を読もうと、街に出たついで、にブックオフに寄った。中古の文庫本の"今野"の棚には、なんと沢山の著書があることか。迷った挙句、ほかのシリーズと変わった「神々遺品」を買った。
読んでみると、偶然にもふた月ほど前に読んだ「緑の石」と通じるものがあって、とても興味深かった。
神々の・・、のも、緑の石、も先史時代に現代を凌ぐ文明があった、というのが前提にある。前者は先人が、数万年周期で地球に彗星が激突し文明がほろびることを、オーパーツに残し、後者は核爆発で文明が滅びる危機を緑の岩に記号絵で残した。前者はオーパーツを巡って陰謀と殺人事件もおこる、一方、後者は、危機一髪で米ソの緊張がとけ、核戦争を免れる、女性人類学者の活躍と愛の物語。
夏になると、なぜか、夜空が気になる。UFOが飛んでこないか、期待して眺めるのだが、流れ☆一つ見つけられない。UFOが飛んできているなら、死ぬ前にいちどでいいから、乗っている宇宙人に在ってみたーい!
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by babamama_123 | 2015-07-08 13:40 | 読む | Comments(0)

今月の本

1。木暮荘物語 三浦しをん
絵画教室のNさんからお借りした。
木暮荘という古くて小さなアパートの住人の物語。上流階級からかけはなれた、どちらかというと私たちにより近い、けれど、ちょっと変わった人々の人間関係が描かれている。電車の中で、思わず吹き出しそうになるのをこらえる場面があった。
2。アポロンの嘲笑 中山七里
時は東北大震災直後。場所は福島。舞台背景は原発。主人公はその最下位の下請け作業員、とその友人、警察官など。
行方不明者の捜索など忙しい警察署に殺人事件の知らせがはいる。担当になったのは、自身の息子の行方もわからず、捜索もできずにいる刑事。犯人はすぐ逮捕したが、警察署に移動する間際ににげられてしまう。犯人は手錠をしたまま、事故を起こした原発方面に向かって逃走・・・。目的は・・・
物語の中で、下層下請け作業員の悲惨な状況、東電や政府官僚の責任のなすりあい、などどうしよもない現実が詳しく述べられる。主人公は神戸の震災にあい、両親にかばわれてがれきの中から奇跡的に助かった男性。主人公が心を開いた相手も神戸で震災にあい、事情があって福島に移住し、生計のために原発で働いていた。不運に次ぐ不運、読んでいて胸が痛くなった。
読み終えて、宮沢賢治のグスコーブドリと、高木仁三郎の予告を 思い出した。
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by babamama_123 | 2015-06-12 15:00 | 読む | Comments(0)

処刑までの十章

三月、四月は病院通いが多かった。いけばその日は何もできない。隙間の時間にできることはほんを読むこと位。何冊かよんだけれど、「処刑までの十章」はちょっと今の自分には合わなかった。予約して1年近く待ったほんなので、後にも待っている人が沢山いるので飛ばし読みして返した。
アサギマダラをストーリーの小道具にしているのがとっても残念だった。連城三世彦の小説は、人の(男女の)深層心理を描いてるようで、とっても暗い。それでも昔はそれにひかれて結構読んだものだった。でも最近は暗さにひきずりこまれるようで、読んでいてしんどくなってきた。
これは、アサギマダラ観察同好会に所属する夫とその妻、をめぐるサスペンスである。夫ある日突然家を出て幾重知れずになる。いきているのか。推理は逆転に次ぐ逆転で、思いがけない最後で終わる。妻と義弟の心理描写がすごかった。
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by babamama_123 | 2015-06-01 15:36 | 読む | Comments(0)

三四郎→それから

朝日新聞連載の「三四郎」は先週百十七回をもって完結した。最後の文章、「三四郎は何とも答えなかった。ただ口の中で、迷羊(ストレイシープ)、迷羊(ストレイシープ)と繰り返した。」
ストレイシープは、半ばでも出てくる。確か、三四郎のあこがれの女性、美禰子が、空に浮かぶ雲をみてストレイシープ、とつぶやいた。ずいぶん昔によんで、このストレイシープと三四郎池、野々宮先生だけが記憶に残っていた。迷える子羊は、百匹のひつじの群れから、一匹の子羊が迷ってしまった時、羊飼いはその一匹を必死に探すでしょう。まして迷える人の子を神様はみしごすことはありません・・・、という聖書には書かれているけれど、美禰子さんはどういうつもりで言ったのだろう。三四郎でなくても引っかかる。これも10年以上昔、初孫の育ババをするためロサンゼルスに滞在したことがあった。孫の一家は2階建ての家の2階部分を借りていて、階下にすむ一家族の主人は写真家で、新聞に載せたりしていた。夫婦二人の家族で、二人揃って大変な猫好きだった。ある日、庭で孫に日向ぼっこをさせているとき、そのご主人も飼い猫を抱いて庭に出てこられた。あいさつの後、家にも猫がいるという話をすると、なにやらたくさんしゃべった後、床下に寝ていた猫を指して、あれは、ストレイキャット、年をとって病気がちなのだと言った。それから家に入り、子猫を3、4匹つれてきて、昨日近くで拾ってきたという。少し大きくなったら里子に出すというようなことを話した。何しろ英語は耳なれないので、せいかくなことはちっともわからない。ストレイキャットははっきり聞き取れて、三四郎のストレイシープを、その時突如思い出したのだった。
「三四郎」は大人になって「それから」に続くという。「それからの「ノートが販売されたので早速購入した。百合の挿絵のついた素敵なノートである。
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by babamama_123 | 2015-03-28 15:16 | 読む | Comments(0)