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かぼちゃの種

明日は終戦記念日である。TVでそのころの話をとりあげる番組が目立つようになった。TVから流れる戦争という言葉に反応して、7歳の孫は、「なんで戦争なんかするのかなぁ、おばあちゃん」、と問いかけてきた。この孫は、ついこの間も、「おばあちゃんがこどもだった時戦争だったんでしょ?」と急に言う。「そうだよ。日本はアメリカと戦って負けたんだ」と、婆さんがいうと、孫は、長いまつげの目を伏せて、困ったような表情をした。婆さんはしまったと思って、すぐに「アメリカだけじゃないよ、世界中の「大きな国を相手にたたかっていたんだ」と言いなおした。孫にとって、お父さんの国とお母さんの国が戦っていた、と聞くのは、お父さんとお母さんがけんかしている、のと同じように聞こえてつらかったのにちがいない。7歳の子供がどこまで戦争の意味を理解できるのか、婆さんは、孫に聞かれるたびに、どうはなしたらよいのか、困ってしまう。
先月茨城県の妹から送ってもらったカボチャを切ったら、大きな種がたくさんとれた。結構な量なので、捨てるに忍びがたく、洗ってお皿に広げてほしておいた。今朝それをフライパンで煎って、テーブルの上においておいた。朝一番に起きてきた7歳の孫がそれを見つけて、「ばあちゃん、これなに」と聞いた。
「これはかぼちゃの種で、おいしいんだよ。皮をむいて、こうやってたべるんだ」と言っているうちに、ばあちゃんの子供のころの話をするはめになった。
「戦争が終わるころはね、日本には食べるものがなにもなかったんだよ。みんなおなかがすいていた。たべものがなくて病気になったり死んだ人も大勢いたんだよ」
「えーっ、おばあちゃんも?」
「ばあちゃんのとこはね、ひいばあちゃんが、家の裏に畑をかりて、いろんなお野菜を作っていたから、大丈夫だった。カボチャやさつまいも、とまとにきゅうり、なすとかね。カボチャの種はその時食べて覚えていたんだ。サツマイモのつるもたべたよ。それからひまわりの種もね。みんなおいしかった。どう、かぼちゃの種、おいしい?」
「うんおいしい、ゆりかだいすき」
といって、朝ごはんまえに種をつまようじでこそげとってたべる。たちまちテーブルの上は皮のかけらが散らばって、広がってしまった。
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by babamama_123 | 2009-08-14 10:48 | 日々の記録 | Comments(0)