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けなげ

久しぶりに図書館に行ってきた。借りていた本の貸し出し期限が来て、返却の督促メールにあわててきたのだ。日曜の昼過ぎ、読書コーナーは中高年の男性で空いた椅子はわずか。いそいで席を取り、残りの20ページ余りを読んで返却した。
借りていたのは、荻野アンナ著 「けなげ」である。アメリカ人の父と日本人の母と私のことが描かれている。多分実話なのだと思う。父と母の軋轢、母と私の軋轢がテンポの速い文章で、深刻なのにユーモラスに描かれていた。”私”は現在50代半ば、で独身。K大学で教えている。80代の父親が倒れて生死の間をさまようことになった。父親は英語しか話せ(さ)ない。画家の母親は日本語だけ。娘は、勤務の傍ら独りで医者とのやりとり、介護に悪戦苦闘する。次第に追い詰められて、母親に子供を持てなくなったのは、母が結婚の邪魔をしたからだ、などと、当たり散らすようになる。うつ病になったのだ。
 読んでいて、自分の30代、40代の頃を思い出し、アラフォーの娘を思った。40は不惑の年というけれど、それは男のいうことで、女はいくつになっても惑いっぱなしなのだという。私も、40代、50代と惑ってばかりいたけれど、惑いっぱなし、ということはない。さらに年をかさねれば、惑い疲れて、あきらめの境地に達する。その時独り身だったとしても嘆くことはない。相手次第では、独りの方がずっと穏やかでいられることもあるからだ。
身につまされるお話でした。

Commented by 8039fujisan at 2010-08-09 18:41 x
babamamaさん
60代になっても惑いっぱなし。
男でも女でもそうだと思います。
だけど気持の若さを保つためには惑っているのがいいとか...?
穏やかな気持ちは諦めと妥協かも。
なかなか難しいですね。
by babamama_123 | 2010-08-09 15:51 | 読む | Comments(1)