追悼 百万回生きた猫

佐野洋子さんが亡くなった。5日に亡くなったことを、13日の朝刊を読んで知った。
著書「役に立たない日々」の最後の方で、乳がんが骨に転移して、余命2年と宣告されたことが書かれていた。2008年の冬の話だった。昨年の秋か冬のころ、TV週刊ブックレビューに出演されていたのを見た。お元気そうで、余命1年のようには見えなかった。それから1年医師の宣告とおり亡くなってしまった。
佐野洋子とはなんのご縁もないけれど、身近な人に先立たれたような寂しさを感じる。彼女の開けっぴろげで、飾らない文章を読んで、嘘のない人柄に親しみを感じるからかもしれない。
 「百万回生きた猫」も佐野洋子らしい、豪快でふてぶてしい猫が主人公で、その猫の最後がしみじみと胸を打つ。大好きな絵本だけれど、私は、「あっちの女、こっちの猫」の方がもっと好きだ。エッチングの絵に文章をつけた画文集である。それを本箱の奥から出して、谷川俊太郎の詩のついた「クレーの絵本」と並べて机に置いた。

 「あっちの女、こっちの猫」から、大好きな文章

    「わたし、時々猫のふりして眠るの」
    女はそう言って笑った。
    「だって、何にも考えないですむもの」
    おれは驚いて声がでなかった。
    おれは人間の真似なんて
    何一つしたくなんかないのに


    孤独とは何か。
    底なしの自由。
    おならをして、たった一人だと気づく時。
    ほっほっほと笑う幸せ。

   
    

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by babamama_123 | 2010-11-15 11:34 | 日々の記録 | Comments(0)