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メガネ君、さよなら

さよなら、メガネ君
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白内障の手術を受けるため4月22日から6日間かかりつけの病院に入院した。手術は右目を23日に、左目は25日に行われた。
病室は産婦人科病棟の4人部屋、で、同じ日に私と同じくらいの年輩の女性がやはり白内障の手術で隣のベッドに寝ていられた。眼科の病棟は満員で、私達は少し離れている婦人科病棟にまわされたらしい。同病相哀れむ、で手術の前日は、お隣さんと抱えている不安を語り合った。執刀医は別だったが、白内障の手術について、百人に一人はいるという難しい症例や、たまに失明に至る場合いもある、とあらかじめ医師から同じ内容の説明を受けていた。その100人に一人が自分だったらと、お隣さんも私もとても不安だった。まして私は20年近く緑内障も患っている。2度、レ―ザ―で穴をあけたこともある。この20年、二月に1度緑内障の診察を受けにこの病院に通っている。老齢になって視野が狭くなっているけれど、幸い眼圧は低目安定で特に問題はなかった。ところが昨年秋くらいからメガネの調子がわるくなってきた。レンズがくもったようになって、磨くけれど、すぐまたおなじようになる。12月の検査で視力が落ちていることがわかった。メガネを変えてから1年しかたっていない。すぐにかえるのもとおもいながら年が明けた。2月末の検査ではさらに視力が落ちて、メガネを変えたらいいのか先生に伺うと、メガネではおいつかないほどに白内障が進んでいる、すぐにでも手術してもいいくらいだ、どうしますか、と言われた。白内障は60代にはその気配があると診断されていたが、これまで問題にするほどではないと言われていたのだった。びっくりして、お願いしますと即答したら、じゃ来週にしましょうかと言う。まるで今日の明日みたいだ。心の準備もあるし、もう少し先にしてほしいと言って、この日に決まったのだった。
 23日の1時、まず右目の手術がはじまった。お隣さんはその30分後に決まった。手術着に着替え腕に点滴の針を刺して手術室に向かう。前の人がまだ手術中で、手術台のある部屋の前でしばらくまたされた。若い看護士さんが不安をやわらげようと気を使っていろいろ話しかけてくださる。受け答えはしたけれど、何をはなしたのか上の空で、身体はもうがちがちだった。あっというまにおわりますよ、言われるけれど、これから起こることを想像して恐ろしかった。全身麻酔なら眠っている間にすむことだけれど、局部麻酔で、話は聞こえるし、左目はマスクされていても薄くみえるらしい。なにしろ頭部の手術だから考えるほどにこわくなった。この日手術されるのはは10人位で、皆アットいう間に終わったといってましたよ、看護師さんはいう。やっと順番がきて呼ばれて、名前と生年月日、どちらの目の手術をするのかこたえてから、手術代に寝かされた。右目の部分があいたマスクを顔にかけられ、手術が始まった。麻酔の目薬が入り、それから次々と目薬が上から流れるように落ちてくる。瞼は開けられて、目の上に明るい光の穴が二つ、黒い穴が一つ見える。絶対動いてはいけない。くしゃみも咳もしてはいけない。ほかのことを考えようとしても、わけのわからないものが見えて考えられない。不安な時はいつも念仏を唱えたりするのだけれど、それもできなかった。こちこちになってひたすらまだかまだかと、終わりました、の言葉を待った。痛みはないけれど、おそらくレンズを入れたのだろう、その圧迫感を感じた。もうすぐ終わりです、と言われた時、先生の顔が薄暗く見えた。
予定通りの手術でした心配ありませんよ、と言われて手術代を降りた。
部屋に戻ると2時だった。手術は30分もかからなかったのだ。続く

by babamama_123 | 2013-04-28 13:15 | 日々の記録 | Comments(0)