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1月~2月の本


「オリーブキタリッジの生活」 エリザベス ストラウト
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アメリカ北東部の小さな漁港の街に住む普通の人々の生活が書かれている連作短編集。
主人公はオリーヴキタリッジ、元中学校数学教師、夫のヘンリーキタリッジはその海辺の街で薬局を経営している。一人息子がいて、足の医者をしている。
オリーヴが主人公なのはおわりのほうの一篇で、あとは、街の人々のありふれた日常生活がオリーヴの影や噂などを織り込んで語られている。オリーヴは象のように大柄な女性で、気性もかわっている。近所の人々、元教え子の会話から彼女の人柄がうかびあがっていくしくみになっていて、俗っぽい話なのに、通俗小説にならないところが素晴らしいと思った。オリーヴの30代後半から70代にわたってかかれているけれど、オリーヴの老いにわが身が重なって、同感することがたくさんあった。
京都奇談 森鴎外、芥川龍之介、水上勉他
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京都にまつわる奇談短編集。図書館の返却本の中にあったのを借りてきた。
名作、「藪の中」、「高瀬川」、「西陣の蝶」がおさめられている。
奇談なので覚悟してはいたけれど、「決して忘れられない夜」 岸田るり子 を読んだときは、私も忘れられない話となった。あまりのえぐさに、その夜の食事がすんなり喉を通らず、味もわからなかった。
世の中の男性諸君、決して女性をその場しのぎに、もてあそんではいけません。

by babamama_123 | 2016-02-18 15:38 | 読む | Comments(0)