1
2016年 11月 16日
読書
田中澄江は「花の百名山」の著者として知ってはいた。が作品を読んだことはない。花の百名山はだいぶ前にテレビで見た。美しい高山植物が群生する山を登りながら田中澄江の文章を引いて紹介していた。映像がきれいで見ていて楽しかった。
「夫の始末」は花の百名山からは想像できない内容でもうびっくり。脚本家の夫と同業の妻の生活が書かれているのだが、痛快で読み出したら止まらない。妻は田中澄江じしんである。母の世代の女性はなんと果敢であったことか。
読んでいて胸がすかっとした

「トワイライトシャッフル」 乙川優三郎
房総半島の海辺の住人の生活を書いた作品。13の短篇集である。
この地に生まれ成人して海女となった人、都会から移住してきた夫婦、別荘を譲られた若い女性、流れ着いたジャズピアニスト。それぞれの人生の断片が哀愁をおびた調子で語られる。自分にも重なるところがあったり、しみじみと読書に浸ることができた。読後に波の音がいつまでもきこえてくるような感じがした。

▲
by babamama_123
| 2016-11-16 21:28
|
Comments(0)
1